術後
ストーマのケア:装具交換、洗腸、用品の選び方

ストーマと向き合うとき、最初はほとんどの方が「自分にはできない」と感じます。自転車の練習に似ていて、はじめの数回はぎこちなくても、少し慣れれば日常の作業になります。多くの方は数週間で自立できます。
ストーマを知る
ストーマは腸の一部をお腹の壁から外に出してつくった開口部です。神経がないので、触れても痛みはありません。粘膜はピンク色で湿っており、頬の内側に似た見た目です。それが正常です。
ストーマ自体には括約筋がありませんので、我慢することはできず、排泄物は自然に出てきます。そのため常に装具を装着します。清拭のときに少し出血するのは正常で、歯みがきで歯ぐきから出血するのと同じように、粘膜が繊細なためです。
装具の交換
交換は腸の動きが落ち着いている時間帯、たとえば起床後や食事の前が適しています。始める前に必要なものをすべて並べておいてください。途中で足りないものに気づくと失敗のもとになります。













流れは次のとおりです。ストーマの大きさを測り、面板をその大きさに合わせて切り、古い面板を上から下へゆっくりはがし、周囲の皮膚を水とやわらかい布で清拭し、完全に乾かしてから、新しい面板の位置を合わせ、温めた手のひらで数分押さえて密着させます。
- 穴の大きさが重要です。大きすぎると排泄物が皮膚に触れてただれ、小さすぎるとストーマをこすって出血します。術後数週間はストーマが小さくなるので、毎回測ってください。
- 皮膚は完全に乾かしてください。湿ったままなのが、装具がはがれる最も多い原因です。
- 清拭は水だけで十分です。油分を含む洗浄料や消毒液は、粘着を妨げ皮膚を刺激するので使わないでください。
洗腸(一部の結腸ストーマの方)
洗腸とは、一定の間隔でストーマからぬるま湯を注入して排便を促し、その間の排泄をほとんどなくす方法です。合う方にとっては日常の自由度が大きく広がります。
すべての方に向く方法ではありません。洗腸は一般に結腸ストーマの一部の方が対象で、回腸ストーマでは行いません。適応と手技については、必ず事前にストーマ外来の看護師または医師にご相談ください。ご自分だけで試さないでください。
リズムをつくるために決まった時間に定期的に行う必要があり、1 回にそれなりの時間がかかりますので、生活リズムに合うかどうかも判断の要素になります。
皮膚が痛むとき
ストーマ周囲の赤み、ひりひり感、皮膚のただれは最も多いトラブルです。その大半の原因は、排泄物が皮膚に漏れていることです。
ですから必要なのは軟膏ではなく、漏れる理由を突き止めることです。穴が大きすぎないか、皮膚のしわで面板が平らに貼れていないか、ストーマの位置が低くないか、交換の間隔が長すぎないか。それぞれに、保護ペースト、凸面型の面板、ベルトなど解決する用品があります。
皮膚のトラブルは自然には治りません。ただれがひどくなるまで待たず、早めにストーマケア室にお越しください。
食事
良い知らせがあります。ほとんどのものを食べられます。長期の食事制限は必要ありません。
- はじめの数週間は、新しい食品を一度に一つずつ試し、反応を見て、自分に合わないものを把握してください。
- よく噛んでゆっくり食べてください。特に消化しにくい高繊維の食品は丁寧に。
- 水分を十分にとってください。特に回腸ストーマの方は重要です。水分の吸収が少なく、脱水になりやすいためです。
- ガスやにおいの出やすい食品もあります。ご自分の経験に合わせて調整すればよく、やめる必要はありません。
日常生活
入浴は装具を着けたままでも外してもでき、水が入ることはありません。ふだんの服装で問題なく、通常の衣服がストーマを圧迫することはありません。運動もできますが、強い接触を伴うものや、腹圧が長くかかる動作は避けてください。旅行もできます。予備の用品を持参し、一式を手荷物に入れておいてください。多くの方が仕事にも人づきあいにも戻っています。
次の場合はすぐに受診してください。
- ストーマが暗紫色、灰色、黒色になった
- ストーマが著しく腫れた、強く飛び出した、お腹の中に引き込まれた
- 数時間まったく排泄がなく、お腹の張り、腹痛、嘔吐を伴う
- 排泄量が急に増えて水様になり、のどの渇き、尿量の減少、めまいを伴う
- ストーマ周囲の皮膚がただれ、痛みが続く
- ストーマからの出血が多い、または止まらない
当科にはストーマケア室があります。お困りのことがあればどうぞご相談ください。お一人で抱え込まないでください。多くの問題にはすでに解決策があり、必要なのはそれを伝える人だけです。
患者さんの状態は一人ひとり異なり、この記事は一般的な原則を示すものです。ご自身の検査や治療は主治医の指示に従ってください。